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投稿 重ねて「意見書」の即時撤回を要求する

 岡本省三

 一
 3月号で私は、「欠格条項をなくす会」に対し、裁判員制度について同会が2月13日に出した意見書の即時撤回を、根拠を全面的に展開して強く要求した。その後私は「公開質問状」を同会宛にファックスし、5月13日を期限として回答を求めた。5月13日、同会は事務局長臼井久美子氏名で、私の要求には応じない旨の回答を寄せた。同日には電子メディアにも流布し、本紙編集長をも「感心」させた(「いい回答じゃないの」と言い、岡本さんに「とんでもない!」と言われました:木村記)この回答に対し、私は重ねて強く強く「意見書」の即時撤回を要求する。その新たな根拠を以下、簡潔に明らかにする。その結果として、「なくす会」の許し難いそして致命的な『非政治性』のもたらす状況追随主義を暴露せざるを得ないことを甚だ遺憾とするものである。
 二
 4月21日、都内で「戦争のための『司法改革』に反対し、イラク撤兵を求める集い」という大規模かつ啓発的な抗議集会が開かれた。それは5月18日の国会前座り込みなど、全弁護士約2万人のうち5,000人が反対する司法超反動化に対する多様な闘いの一つであった。私はこの抗議集会に参加して初めて得た知見と資料に基づき、「公開質問状」を書いた。
 裁判員制度は、戦時国民総動員への強固な国家意思を体現する関連2法案ー「刑事訴訟法全面改悪案」、「総合法律支援法案」(『国営弁護法案』と称されている)ーと一体をなす「刑事司法改革関連3法案」の一つである。ただし他の2法案は口当たりの都合で、今や国家意思の慰撫宣伝部隊に位置するマスメディアの情報統制によって「主権者たる国民」から秘匿され続けている。3法案すべてが、4月23日、民主党との共同提案によって衆議院本会議で「全会一致」で可決され、28日参議院本会議において趣旨説明・質疑の後、参院法務委員会に付託され、5月20日の同委可決の翌21日、参議院本会議で成立を急ぐ与野党一致の下、反対2で可決成立している。
 従って「なくす会」の回答日である5月13日には、世間の動きに目を閉じていない者にとって、同法の成立を疑う余地は残念ながらなかったのである。さらに、2003年2月5日法制審議会最終答申による「共謀罪」「参加罪」などなど、戦前をはるかにしのぐ超反動違憲立法が続々と出番を待っていることをも、人は知らなければならない。

 三
 「公開質問状」には次の補足文を付した。
①貴会が、多くの違憲立法による「司法の超反動化」への国家意思を承知した上で、敢えて「意見書」を提出されたのか否かを知り得ぬことを甚だ遺憾とする。
②貴会が、やがて来るべき「戦時国民総動員体制(例:自警団、徴兵制)」に対してもなお、その「欠格条項」の削除を依然として求める可能性が大きいことを深く危惧する。
③それは、アフガン、イラク・・・で、女性
兵士が男性兵士に劣らない勇敢さと残虐性を発揮し、民衆の無差別大量殺戮という「成果」をあげるに至っている、アメリカン・ブルジョア・フェミニズムと類似することにはなるまいか。

 四
 しかるに「なくす会」の回答は意見書の作成過程の説明と引用に終始し、以後90日間の状況の激動に反応している様は全く窺えない。回答に記されている「法案の多大の問題点」(具体的指摘は全くないが)の認識と「国民的な論議の深まり」への要請は、2月13日の時点では、少なくとも何がしかの現実性をもっていたかもしれない。しかしほとんどすべてが終わってしまった5月13日にいたって、「まず、制度案全般について、国民的な議論が十分に行われる必要があるとの考えです」とは、一体全体どうなってしまっているのか?!
 これが本当に私の「撤回要求」拒否の回答ならば、「今カラデモ遅クハナイ、速ヤカニ」意見書を撤回してください。そして「護国の鬼」となって「ヤスクニ何トカ」に「合祀」されないで下さい。たくさんの仲間を道連れにして。

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